家の解体工事は何度も経験することがなく、解体工事の実施を検討する際は事前に工事費用や工期などおおよその数字や手順は把握しておきたいですよね?
木造住宅、鉄骨住宅など住宅にも種類がありどの種類の解体工事を実施するのか?また住宅の坪数でも工事費用や工期は変わってきますので自身がしっかりと事前に把握しておくべき必要があります。
今回この記事では、50坪の家の解体工事にスポットを当て、工事にかかる費用の相場や工期などを地域別の表にまとめて詳しく解説していきます。
家の構造や地域で工事費用は変わる?まずは違いを把握しよう!
家の解体工事を実施する際、まず初めに把握しておきたいポイントは家の構造や解体工事を実施する地域によって工事費用は変わるという点が重要になります。
これは50坪の家の解体に限らず、木造・鉄骨・鉄筋コンクリート構造の解体工事では工事費用や工期に差が出てきます。
解体工事を実施する地域に関しては、関東・関西・九州など工事を実施する地域によって坪単価が異なるため、工事費用に差が出ます。
なので、家の構造や解体工事を実施する地域のことを把握することでより正確に費用を理解することができ、解体業者から最終的に提示される費用が適性なのか?自身で判断できるポイントになります。
3種類の構造での費用差はいくら?50坪で考えてみよう!
主に家は木造・鉄骨・鉄筋コンクリート構造の3種類で建てられており、構造の違いで工事費用にどの程度差が出てくるのか?事前に知っておくことが重要になります。
なので、まずは構造別の50坪の家を解体する際の工事費用について地域別に1つずつ解説していきます。
①木造住宅(地域別)
地域 | 50坪解体費用(相場) |
---|---|
関東地区 | 185万円 |
中部地区 | 175万円 |
関西地区 | 175万円 |
九州地区 | 165万円 |
上記、表のように家の解体工事は地域により坪単価の影響により費用に差が出るのが特徴の1つです。
木造構造は他の構造と比較すると、もっとも解体作業を行いやすい構造になるので3種類の中では1番に解体費用を抑えることのできる構造になります。
②鉄骨住宅(地域別)
地域 | 50坪解体費用(相場) |
---|---|
関東地区 | 225万円 |
中部地区 | 200万円 |
関西地区 | 200万円 |
九州地区 | 190万円 |
上記、表が鉄骨構造の解体費用相場になり、木造構造と比較すると解体工事にかかる時間や手間がかかってしまうので費用も木造構造より高くなることがわかります。
また、解体する家の立地条件や場所によっては費用が相場よりも高くなることもありますので注意が必要です。
③鉄筋コンクリート構造
地域 | 50坪解体費用(相場) |
---|---|
関東地区 | 275万円 |
中部地区 | 260万円 |
関西地区 | 265万円 |
九州地区 | 240万円 |
上記、表を見て分かるように3種類の構造の中では鉄筋コンクリート構造の解体費用が最も高くなります。
これは、木造構造や鉄骨構造に比べ鉄筋コンクリート構造が最も強固なつくりになっているため解体工事に時間がかかってしまい、工期が長くなり費用面に影響してしまうからです。
築年数でも変わる?解体工事にかかる工期とは
解体を検討している家の築年数が解体工事にかかる工期に影響するということはご存知でしょうか?家の築年数によっても工期に違いが出てきます。
工事対象の家が比較的に新しい10年未満の築年数などは問題なく解体工事が進みますが、築年数が10年以上を経過している場合は工事に手間がかかる恐れがあるということを知っておくことが重要になります。
築年数が古くなるにつれて建設資材である木材や鉄骨、コンクリートが劣化し腐食してしまっているというパターンがあるのです。
そうした家を解体する場合は工事の際、家本体が崩れ落ちるリスクを避けるために通常より慎重な作業になってしまうので、工期が長引くことになります。
また、原則として2006年以降からは使用禁止となりましたが、2006年以前に建てられた建物についてはアスベストを使用している場合もあります。
アスベストは人体への悪影響があり、工事着手前に使用されていないかを調査する必要があるので通常より費用と時間がかかるので注意が必要になります。
解体工事の工期
築年数が10年未満の家を解体するケースもありますが一般的には、築年数がある程度経過している家を解体することが多いので、ここでは築年数30~50年の期間の家の解体にかかる工期について解説していきます。
築年数30~40年 | 解体工事の工期 |
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平屋の場合 | 10日間~2週間程 |
2階建ての場合 | 2週間~3週間程 |
築年数50年 | 解体工事の工期 |
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平屋の場合 | 2週間~3週間程 |
2階建ての場合 | 2週間~4週間程 |
上記、表のように築年数が進むにつれて解体工事の工期も長くなる傾向になることが工期を把握するのに押さえておくべきポイントになります。
平屋と2階建ての解体費用の違いとは?
平屋と2階建ての家を解体する場合でも費用や工期に違いが出てくるので、この違いについても解体工事の実施を検討する際は事前に把握しておくことが重要になります。
基本的には、同じ50坪の家の解体でも平屋の解体の方が工事費用が安くなり2階建ての家を解体する場合の方が費用が高くなり工期も長くなります。
平屋の解体の場合、高所作業がなく足場の設置や高所で使用する重機が必要ないケースが多くその分、費用を負担する必要がなくなります。
2階建てや3階建ての場合では、足場の設置や高所まで届くクレーン車など必要になるため、平屋の解体よりも費用が多く発生してしまうケースがありますので注意が必要です。
家の解体以外にも費用は発生する?発生する可能性がある3つの費用!
解体の対象である50坪の家本体の解体費用の他にも付属で費用が発生する場合もあります。
ここではその付属で発生する可能性のある3つの費用について解説していきます。
家の解体費用の付属で発生する費用には埋設物の撤去や付帯工事、アスベストの除去などが挙げられます。
①埋設物の撤去
まず解体を実施する敷地に埋設物が埋まっていた場合は放置しておくとその土地に悪影響になるため、速やかに撤去する方向で検討する必要があります。
その際、一般的に撤去費用は施主が負担しなくてはなりません。
撤去費用は埋設物により異なりますが、数十万単位になることもあります。
埋設物なので解体工事が着手されてからじゃないと分からない部分でもありますが主にゴミや廃棄物、または古い井戸や浄化槽などが埋設物として出てくるケースがあります。
撤去の方法や手段は工事業者と話し合いできる限り迅速に負担のかからない手段を選択することが重要になります。
②付帯工事費用
家本体の解体以外にも庭やベランダに放置している物やブロック併や倉庫の撤去をする際には付帯工事の扱いになり家本体の解体以外に別途で費用が発生することになります。
付帯工事の扱いになる物には「ブロック併・倉庫(物置小屋)・庭石(木)・門扉・フェンス・ガレージ(自転車置場)・室内残置物」などが挙げられ、撤去の際は追加で費用を請求されますので事前に撤去できる物は出来る限り撤去しておくことが重要になります。
ブロック併や庭石(木)など解体業者でなければ撤去が困難な物についてはブロック併では面積でいくら?庭石(木)では1本でいくらか?など撤去にかかる費用について業者と事前に話し合い、最終的な費用を解体業者に確認を取っておくことも重要です。
③アスベストの除去費用
アスベストには発がん性物質が含まれていることが分かり原則として2006年以降からは使用禁止となっていますが、それ以前から建っている家にはアスベストが使用されている場合もあります。
その際には、別でアスベストの除去費用を請求されることになります。
ですのでアスベストの使用の有無を事前の家屋調査でしっかりと判別しておくことが重要です。
事前の調査でアスベストの使用が分かった場合は解体工事の着手前にアスベストを除去しなくてはなりません。
アスベスト除去の面積によって費用が異なりますので一定の目安を表にまとめます。
アスベスト除去面積 | アスベスト除去費用 |
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300㎡以下 | 2~8万円/㎡ |
300㎡~1000㎡以下 | 1,5~4,5万円/㎡ |
1000㎡以上 | 1,5~3万円/㎡ |
アスベストが使用されている場所によっても費用に幅が出てくることがあるので注意が必要です。
またアスベストの除去については、専門的な教育や研修を受けた人にしか除去できないため自身では除去をすることができません。
まとめ
家の解体工事は自身が事前に費用やスケジュールを把握することで、よりスムーズに工事を行うことができます。
今回この記事では50坪の家の解体にスポットを当て解説しましたが、坪数や工事を実施する地域で解体費用が変化することをしっかりと把握して自身が納得いく形で工事を実施してください。